《2》

ドラマが終わった次の日、よっすぃ〜は会見を開いた。

「ボク、吉澤真希は本日より一年間の充電期間に入ります。
それと同時に本日、ドラマで共演しました後藤真希と
入籍しましたことも重ねてご報告いたします」

翌日のマスコミは大騒ぎだった。
そりゃあ人気アイドルが18歳で17歳と結婚しちゃったんだから
騒ぎにもなるだろうね。
って実際にはしてないんだけどさ。
うちのママにはひとみちゃんと旅行に行くための嘘っていっといた。
親に嘘をつくのは心苦しいんだけど、
命狙われてるなんて言えやしないよ…。

私はとりあえずよっすぃ〜のマンションに身を寄せた。
夜になり、よっすぃ〜はナイフを磨き始める。

「それ、何に使うの?」
「何って護身用だよ。
使わないにこしたことはないんだけどね」

そんなまじめな話をしている時に、
私の携帯が鳴った。

「出ていい?」
「うん」
「はい、もしもし」
『あ、後藤? 市井だけど』
「いちーちゃん?」
『おう』
「久し振り―」

電話は私が中学の時に好きだった先輩からだった。

『なんか急に後藤にあいたくなってさ』
「本当? うれしいな」
『3年ぶりかな』
「そうだね、私も会いたい」
『後藤、結婚したんだよね? テレビで見たよ』
「あ、うん…」
『旦那さんも連れといでよ』

わかったって答えて、私は市井ちゃんと会う約束をした。

「ねえ、よっすい〜」
「ん?」
「明日、中学の時の先輩に会う約束したんだけど」
「いいよ、いっといで」
「じゃなくて、旦那さんも一緒にって」
「旦那さんって…ウチ?」
「うん」
「そっか」
「来てくれる?」
「元彼なの?」
「え?」
「明日会うって子」
「ほえ? 女の子だよ?」
「そうなんだ…。めっちゃ嬉しそうに話してたから
好きだった人なのかなって思った」

好きだった人ってのは当たってるんだけど…。
でも『旦那さん』にそんなこと言えないよ。


翌日、私たちは市井ちゃんに会いに行く準備をする。
よっすぃ〜は、外に出ていくときは
男の子として出なきゃいけないので、
そういう格好に着替えてる。
って、ナイフもってくの?

「よっすい〜、ナイフなんてもってくの?」
「あ、うん…」
「市井ちゃんはそんな人じゃないよ?」
「わかんないじゃん」
「わかるの」
「何でさ、ウチは初対面なんだよ?」
「私の大事な友達をそんな風に言わないで!」
「…わかったよ…」

私が珍しく感情的になって大きな声を出したから、
よっすぃ〜はごめんって言いながら、ナイフを机の上に置いた。

よっすい〜のバイクで待ち合わせ場所に向かう。
さっきからよっすぃ〜は一言も話してくれない。
怒らせちゃったのかな…。でも市井ちゃんのこと
疑うのは許せなかったから…。

待ち合わせ場所に行くと市井ちゃんはもう来ていた。

「後藤、久し振り」

昔のままの笑顔で市井ちゃんは私の前にいた。

「あ、紹介するね、私の旦那さん、吉澤まさきくん」
「はじめまして、吉澤です」
「市井です、よろしく」

って、そんなににらみ合わないでよ…。
この2人、合いそうにないな…。
このあと、わたしたちは市井ちゃんの提案で
市井ちゃん行きつけの店に行った。
一応芸能人だからって市井ちゃんはVIPルームへと
通してくれた。

美味しい中華料理に舌鼓を打ちながら、
私と市井ちゃんは昔話に花を咲かせる。

「あ、ゴメン、私、ちょっとトイレ」

私はトイレに向かう。

「じゃあ、私も」

私と市井ちゃんはトイレへ。
私が個室に入ろうとすると、市井ちゃんが割り込んで入ってきた。

「ちょ…市井ちゃん?」
「いいじゃん、初めてじゃあるまいし」

市井ちゃんはそう言うと、私を抱き締めキスをする。
市井ちゃんの舌が私の口の中に入ってくる。

「あ…市井ちゃん…」

市井ちゃんのキスは耳たぶや首筋にも降って来る。
私は声を出さないように我慢するので精一杯だった。

「声出していいのに」

私は首を振る。

「そんな子はおしおきだなあ」

そう言うと、市井ちゃんの手が私のブラウスをまくり上げ
ブラのホックを外した。

「ダメ…」
「んー? 何がダメなのかなあ」
「こんなトイレなんか…」
「じゃあ、従業員の控え室にでも行こうか」

市井ちゃんはニヤリと笑うと私をひょいと抱き上げた。

場所を変えても市井ちゃんは止まる事を知らなかった。
それに反応してしまう私もいて…。
自腹くわたしの胸で遊んでいた市井ちゃんは
今度はその手を私の下着の中へと入れ始めた。

「あ…いや…」
「何がいやなのさ。じゅうぶん感じてんじゃん」
「来ちゃうよ…よっすい〜が来ちゃう…」
「来ないよ」
「え?」
「今ごろ、あいつはぐっすりおねんね」
「…え?」
「邪魔されると困るからね。寝てもらった」
「どういうこと?」
「薬で寝てるってこと」

そういうと、市井ちゃんは私の中へと入ってきた。
…いやだ…。
こんなのいやだ!
好きだったよ?
すごい好きだったけど…。
でもこんな抱かれ方はいやだよぅ…。
助けて…
助けてよ、よっすぃ〜…。

でもよっすい〜が来てくれる訳もなく
私はいいように、市井ちゃんに抱かれ続けた。

「さあ、次はどうやって愛してあげようかな」

そう言って笑う市井ちゃんの目が私にはもはや恐怖でしかなかった。

「待て…」
「よっすぃ〜!」

そんな時、ドアをあけてよっすい〜が入ってきた。

「おう、早いお目覚めで」
「こんな手、使い古されてるからな、
もうあんまり睡眠薬が効かない体なんだよ」
「よっすぃ〜…」

よっすい〜が私のほうを見る。
裸にされて、後ろでに紐で縛られて…。
見られるのが恥ずかしくて私は思わず後ろを向いた。

「離せよ」
「いやだね」
「離せっつってんだろ」

よっすい〜が私のほうへ一歩近づいた。
そのとき、市井ちゃんが私ののどに何か冷たいものを突きつけた。
市井ちゃん、何で…

「近づいたら、刺すよ」
「くそ…」
「さあ、どうする」
「…殺すんなら、ウチを殺せよ…」
「あんた、殺したら、文書聞き出せないしなあ」
「わかった…話すから…
だから、ごっちん離してやって…」
「ダメだよ、よっすぃ〜。
私ならどうなってもいいから」

よっすぃ〜は首を横に振った。

「…もういやなんだよ…
自分の目の前で、自分が大切にしてるもの
壊されていくのがもういやなんだよ…」

よっすぃ〜は泣いていた。
私はナイフを持ってこないでって言ったことを後悔していた。


つづく

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