今、目の前で繰り広げられている光景。
ごっちんが、他のメンバー一人一人から言葉と花束をもらってて。
みんな泣いてる…。
くそ…。
一度は納得したはずなのに…。

〜〜

「ねえ、よしこ」
「ん?」
「私さ、辞めるんだ」
「辞めるって何を?」
「娘。」
「…まじ?」
「うん…」

あの日、他のメンバーには内緒だけどってこっそり教えてくれた。

「何で辞めるの? もうモーニングいや?」
「ううん、だって上から”卒業だから”って言われて…」
「自分の意思じゃないの?」
「ソロには憧れてたけど…」
「意思じゃないのね?」
「うん…」

悔しかった。
何でだよってずっとごっちんを責めた。
ごっちんはごめんねって泣きながら謝ってくれた。
ごっちんが悪いわけじゃないのに。
最低なのはあたしだ。
あたしは月。
ごっちんは太陽。
月は太陽の光がないと輝けない。
そういったらごっちんは―。

「よしこは私の分もモーニングで輝いて?」

って。
その瞬間から、あたしは涙を封印した。

〜〜

なのに…
ごっちんの前に立ったら、涙が止まらなかった。
言ってはいけない言葉…
「まだ許せない」
も言っちゃって…。
オンエアされなくてよかった。
みんなはとっくの昔に言い終わってた
ごっちん卒業を否定する発言を
今、言うことがどれだけ重い意味を持つのか
しかも、ごっちんと仲がいいあたしが言うことが
どれだけの意味を持つのかって
わかってたはずなのに。
でも言わずにいられなかった。

終わったあとにホテルで

「よしこが泣いてくれて安心した」

って言ったごっちん。
感情を抑えるんじゃないかって心配してくれてたみたい。
最後の最後まで優しいごっちん。
世間じゃ、あたしが優しくて、
ごっちんが甘えてるみたいに見えてるらしいけど、
ごっちんはすごく優しいんだ。
ねえ ごっちん
娘。辞めてからも
あたしが輝いてない時も
変わらず愛してくれますか?

〜FIN〜

あとがき
FC限定の卒業ビデオを深読みするとこうなるのさ。
だってねえ、よっすぃ〜は何が許せないんだろうっておもったらさあ
いろいろ妄想できるべ? ってか当たらずとも遠からずだと思う。

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