INTRODUCTION

 〜真希〜
「ねえ、なに欲しい?」
 11月のある日、同じ仕事になったよっすい〜が空き時間に私の楽屋に来た。
「ん?」
「クリスマスだよ。プレゼント何が欲しい?」
 しばらく考えてから私は口を開く。
「何もいらないなあ」
「え?」
 よっすい〜、少しがっかりした表情になっちゃった。
「何もいらないのかぁ」
「でもね」
 私が言うと、よっすい〜は目を輝かせて身を乗り出した。
「一緒にいたいな…。大きな暖炉のそばで、よし子と一緒にまったりしたい」
 よっすい〜ったら慌ててスケジュール調べてる。
「休みないよお〜」
 一時はがっかりと方を落としていたよっすい〜だったけど、思い直して今度はスタッフに電話してる。
「入りと終わりの時間わかります?」
 なんて、真顔でやってるの見ると私もやらないとなって思ってスタッフに電話する。
 結局23日の午後から24日の昼まではお互い時間があるってことになった。
「どこ行きたい?」
「んー、スノボ」
「スノボかー」
「よしこ、できる?」
「いちおー」
 よっすい〜は何やら電話とかアイモードとかし始めて、私のことほったらかし。
「ねえ、よしこぉー」
「んー?」
「よっすい〜?」
「うん」
「ひとみちゃんってばー」
「もー、なんだよー」
「だって、遊んでくれないんだもん」
 私は頬をぷっくりと膨らませて自己主張。
「あーもー、わかったよ。あとでする」
 へへへ、私、よっすい〜がこの膨れっ面に弱いってこと知ってるんだぁ。

「ねえ、本当にプレゼントいらないの?」
「何よ、プレゼントしたいわけ?」
「したい」
「じゃ、よっすい〜にリボンかけてちょうだい?」
「はあ?」
 私があまりにもはぐらかすから、よっすい〜本格的に拗ねはじめちゃった。
「怒った?」
 私はよっすい〜に背中から抱きつく。
「いいよ、もう」
「怒んないのー」                                私が肩越しによっすい〜の顔を覗き込むと…。
「隙あり! いっただき〜」
 さっとキスされちゃった。私の負けだ…。

 12月23日
 午前中で仕事を終えた私は、事務所近くの喫茶店でよっすい〜を待った。事務所で待っててもよかったんだけど、二人してスノボ行くなんてばれたら大変なことになるし。
「おまたせー」
 暫くしてよっすい〜が来た。
「荷物は?」
「池袋のロッカーに入れてきたよ。ばれたらヤバいでしょ?」
「うん」
 そして私たちは池袋に向かい、私のお義兄ちゃんにスキー場まで送ってもらった。

 それが全てのひきがねを引いてしまうことになることなど気付かずに…


 つづく

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