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SIDE MAKI


「ねえ、梨華ちゃん、どういうつもり?」
「え? どうって?」
「梨華ちゃんには圭ちゃんがいるよね? なのに、なんで?」
「ん? もう少ししたらわかるよ」
「もう少し?」
「うん、だからそれまでお芝居続行」
「お芝居って…」
「いいよ、ごっちんはそのままいてくれたら。
女優石川梨華の見せ場だわ」

そう言って梨華ちゃんは私をトイレの個室に連れ込んだ。
そして ごめんね、お芝居だから拒まないでね って
私に口付けてきた。
よっすぃ〜がするキスとは違うキス。
よっすぃ〜のキスは攻撃的で、問答無用で快楽の世界に連れて行かれる。
梨華ちゃんのキスは…柔らかくて、攻めてるようで攻めてなくて…
いつしかこっちから舌を絡めて行かざるをえないような
誘い上手なキスだった。

「梨華ちゃん…」

いつしかその名前を呼んで、梨華ちゃんの腰を抱き寄せていた。

「真希ちゃん…、いいよ? して?」

何でかな…
そう耳元でささやかれたら理性が崩壊した。
形のいい胸にそっと触ってみる。
圭ちゃんごめんなさいって心の中で謝りながら。

「梨華ちゃん…いいの?」

梨華ちゃんの顔を見ると
潤んだ瞳で頷いた。

Tシャツを捲り上げ、邪魔なブラを外す。
あらわになった梨華ちゃんの胸にそっとキスをする。
私のつたないキスにも、梨華ちゃんは反応してくれて
普段は聞くことのない喘ぎ声が私をもっと興奮させる。

「ねえ…」
「…なに?」
「ごっちんがほしい…」
「うん…」

石川さんと文麿の衣装だってことが
ウチらをより興奮させる材料になって
もう…ダメだ…
もう止まらないや。
ごめんね、よっすぃ〜。
でも、よっすぃ〜が私を寂しがらせたのがいけないんだよ?

私は梨華ちゃんのスカートの中に手を入れた。

「あ…」

とたんに腰の力が抜ける梨華ちゃんの身体を左腕で抱きとめる。

「いいの?」
「うん、きて?」

下着の上からでも十分に湿り気を感じる。

「もうこんなに濡れてる」
「ばか…ごっちんのえっち」

そう言う梨華ちゃんの表情のほうがよっぽどエッチィんだけど。

「入れて…いい?」
「聞かないでいいんだよ?」

もう私は止まらない。
特徴のある梨華ちゃんのそう言う声が
こんなにも私を興奮させるなんて思ってもみなかったけど。

私は梨華ちゃんの下着をずらし、秘部に指をあてがう。
梨華ちゃんからあふれ出た液体が指に絡みつくだけで
私の脳髄はしびれて熱くなる。

「いくよ?」

暫く梨華ちゃんの泉をさまよっていた私の指が
梨華ちゃんの中へと入っていく。

「あん…ごっちん、気持ちいい…」
「まじ?」
「ん…さいこー」

ってか、これ、芝居なんだよね?
まあ、どうでもいいや…

私はいつもよっすぃ〜がしてくれてたように
静かに指を動かし始めた。
私の動作一つ一つに梨華ちゃんは敏感に反応してくれる。
声も表情もしぐさも、
私を獣にさせるに十分すぎる媚薬だ。
私は夢中でせめた。
胸を貪りながら、赤ん坊のように吸い上げながら、
指は休むことなく動かして

「ごっちん…イキそう…」
「イク? 一緒にイコ?」
「うん…早く来て…」

私はその声を合図に指を二本に増やす。
暖かい梨華ちゃんの中を往復させると、
ぎゅっと指が締め付けられて
梨華ちゃんは果てた。
私は梨華ちゃんを抱いて支える。

「ごっちん…最高だよ…」

そう最高のチャーミースマイルで言われたら
私の子宮が疼くじゃん…
また、私は梨華ちゃんの首筋に噛み付くようなキスをする。

「あ…ん…まだ欲しいの?」


 

SIDE RIKA


芝居だったはずなのに
なんか変な感じ。
ごっちんに抱かれて私の身体が火照ってる。
これはよっすぃ〜にあてつけるためなのに
本気になっちゃいけないんだよ。
ってか、こうやって身体を重ねてる時点でアウトだろって話だけど。
はっきり言ってごっちんの攻めはそんなに上手くない。
でも、すごく一生懸命で
私を大事に扱ってくれてるのがわかって
とても愛しくなった。
ごっちんが触れる場所のすべてが感じる。
越えちゃいけない一線を越えちゃったよ…
ごめんね、保田さん。
私、ごっちんの腕の中で果てた。

果てたあとに見たごっちんの顔は
すごく不安気で、今にも泣き出しそうに潤んだ目をしていて、
私はごっちんが愛しくてたまらなくなった。
でも、言っちゃいけない。
これ以上はお芝居しちゃいけない。
そう思ってたのに
ごっちんが私の首筋にキスしてきた。
とたんにぞくっと電流が走る。
身体の芯がごっちんを求めてる。
自分の意思とは別なところで
身体の中が熱を帯びた。

「まだ、欲しいの?」
「欲しいよ、梨華ちゃんのことめちゃくちゃにしたい」
「いいよ、きて?」

第2ラウンドに入ろうかと、ごっちんが私の胸に…


ドンドン ってドアを叩く音がした。


「真希!! いるんだろ!!!」


よっすぃ〜だ。
邪魔されたくない…
そう本気で思ってしまった。

 

つづく

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