<前編>

「ねえ、これ見てよ」
「ん?」
「圭ちゃんが言ってたみたいなやつ、いっぱいあるよ?」

今、ウチとごっちんは、ごっちんの家でネットを見ている。
圭ちゃんが言ってた・・ってのは、キャラクター小説ってやつ?
メンバー同士の恋愛物とかそういうジャンルがあるんだって
そういう話を聞いて、
興味本位で、今日はいろんなサイトを覗き中。
ってか、本人たちがこういうサイト見てるって知ったら
作者さんたちはどういう顔をするんだろうか。
圭ちゃんなんか
「やすいしってジャンル、最高よっ」
なんて言ってるし。

「この話長い・・・」

ウチが思わず呟いた。

「ん?」
「ほら、これ」

それは中澤さんと石黒さんがメインの小説で
そのサイトにいっぱいよしごまがあるから見てたら見つけたんだけど。
ある日目が覚めたら、石黒さんが男になっちゃってるなんて話だった。

「実際になったら面白いだろうね」

ごっちんが言った。
神様がその言葉をそっくり受け止めてくれたなんてこと
想像もできずに・・・。

 

次の日、目を覚ますとごっちんが男だった。

「ちょ、ちょっと待って―!!」

ごっちんは軽くパニックだ。

「な、なんで私なの? 何でよっすぃ〜の方じゃないの?」

あなたねえ・・・・。

「どうしよう・・・・」

頭を抱えたごっちんは泣いていた。

「泣かないでよ」
「だって・・・・」

ってか・・・男になったごっちん・・・どう見ても祐樹だ・・・。

「祐樹そっくり・・・」
「・・・・・ばか」

ごめんなさい・・・。

「どうすんのよお、これから。
この家にいれないよ?」
「そっか・・・。かといってうちんとこも来れないし・・・」

小説の中の「彩裕」よりも、実家通いのウチらの方が厄介じゃんよ・・・。

「とりあえず・・家、出よ?」

こっそりと祐樹の服を借りて、ごっちんとウチは外に出た。
ごっちんがウチの前に手を出した。

「え?」
「ほら、あの・・・一応今は私が男なわけだし・・」

いつもならごっちんが手をつないでもらう方。
でも、今はごっちんが男だから、
ウチがつないでもらう方。
いつもより大きな手がなんだか不思議。

「あ・・・」
「ん? どうした? よしこ」
「今日、梨華ちゃんと圭ちゃんと買い物に行く約束・・・」
「あ・・・・」

そう、今日はWデートするはずだった。

「私、このままで行こうかな・・・」
「え?」
「よしこの従兄弟かなんかってことにしてさ」

まあ、あたしとしても、こんなごっちんを一人にしとくわけにはいかないし。

「ねえ、名前」
「あ、どうしよっか」
「あの小説の中じゃ、呼び間違えてもいいよにって書いてなかった?」
「書いてあったねえ」
「ごっちんと呼び間違えてもいいようにか・・・」

ごっちん・・・ごっちん・・・ごうちん?
あたしは自分の従兄弟の「ごうちん」こと「吉澤剛」とともに出かけることにした。

つづく

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