《中編》

「はじめまして吉澤剛です」
「あ、はじめまして」

白い歯でにかっと笑ってごっちんが挨拶すると
梨華ちゃんと圭ちゃんがテレながら挨拶。
ってか、何で、そんな赤くなりながら挨拶返すのさ(怒)

「ひとみちゃんに、こんなかっこいい従兄弟がいたなんて知らなかった〜」
「吉澤、あんた、隠してたわね〜」
「隠してなんかないよ〜。ウチらも久し振りに会ったんだよね?
ね、ごうちん」
「うん、そうそう」
「ごうちん?」
「そう、剛だから、ごうちん」
「なんか、ごっちんみた〜い」

梨華ちゃん・・心臓に悪いからやめて・・・。

「ねえ、どこ行く?」
「うーん、遊園地」
「遊園地?」

梨華ちゃんはこの前、ドラマのロケで遊園地に行って以来、
遊園地がマイブームになってしまったらしく
休みがあったら遊園地に行きたい!ってずっと言ってたからな・・。

「いいねえ、行こうか」

言ったのはごっちん。
そういや、ごっちんも遊園地好きなんだった…。

ってわけであたしたちは遊園地へと行く。
梨華ちゃんなんて、ついた途端に大はしゃぎで
どれに乗ろうかなんてガイドブックとにらめっこ。
ごっちんはというと、久々に変装しなくていいこの状況を
楽しんでる様子で、ニコニコとそんな梨華ちゃんを眺めてる。

「ねえ、剛くん、あれ、乗ろ?」
「ん? いいよ」

梨華ちゃんがごっちんを引っ張って絶叫マシーンへ。
ってか、初対面にしちゃなじみすぎだよ、あの2人。
ごっちんは、ごっちんのころの雰囲気のまんま男の子になっていて、
某Jのアイドル並みに小さな顔、
後ろに束ねたさらさらの髪、
少したれ気味な大きな目、
通った鼻筋、
笑うと口角がきゅっと上がる口
長い足、
無駄のない、筋肉質な体つき・・・
完璧にモテる男の子の条件をクリアしていた。
あたしが、そんな、値踏みするような目でごっちんを見ていたせいで圭ちゃんが

「吉澤、剛くん取られちゃうよ?」
「へ?」
「従兄弟なんてうそでしょ?」
「・・・なんで?」
「似てないしさあ、さっき剛くん見てたあんたの目、
従兄弟見るような目じゃないしねえ・・・」
「・・・・」
「誰にも言わないから大丈夫よ」
「圭ちゃん・・・」
「でもさ、石川が彼のこと気に入ってるみたいだし
あんまり従兄弟従兄弟言ってると取られちゃうわよ〜」

そう言ってにやっと笑った。
微妙に見破られてる。
ってか・・・
梨華ちゃん、ごっちん狙いなの?
うそ〜ん
やだよ・・・・。

「おもしろかったね」
「うん、楽しかった」

二人が戻ってきた。

「次、なに乗る?」
「梨華ちゃんは何がいい?」

ごっちんはごっちんだった頃と同じノリで「梨華ちゃん」って言った。
でも、梨華ちゃんは名前を呼ばれたことで
頬を赤く染めてた。
なんか・・・やだな・・・。

それからいくつか乗り物に乗って
あたしたちは売店でアメリカンドッグを買った。
さっきからずっとごっちんと梨華ちゃんは仲良くて
もう今にも手をつなぎそうな勢いで・・。

「あ、梨華ちゃん、ケチャップ」

ごっちんが、梨華ちゃんの口の端に付いてるケチャップを
指で拭ってペロってなめた。
・・・やだよ・・もう。
はっきりわかった。
あたし、梨華ちゃんに嫉妬してる。
お願いだから仲良くしないで・・・。


「今日はとっても楽しかった」
「俺も」
「また会いたいね」
「うん」
「よかったら、ひとみちゃんに言ってライブ見にきてください」
「うん、ありがとう」

別れ際も2人だけが別の世界だった。

 

帰り道―。

「ねえ、よしこ、何怒ってんの?」
「怒ってないよ」
「うそだ」
「うそじゃない」
「よしこのことだったら何でもわかるんだからね」
「・・それよりどうすんの? 今日、どこへ帰るの?」
「行こ」

ごっちんがあたしの手を取って歩き始めた。
行く先にあるのはいわゆるその手のホテル。

「ちょ・・・ごっちん?」
「しゃあないでしょ?」
「・・でも」
「何もしないから」

何もしないって・・・
女同士でしちゃってるからなんか変な感じ。
うろたえてるあたしを尻目に、
ごっちんはぐいぐいとあたしを引っ張って中へと入っていった。


つづく

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