《13》

ひとみ視点

崖から滑り落ちて、意識失って…
それからウチ、どうなったんだろう…
気がついたら、ウチは真希ちゃんに抱かれていた。
…やっぱ、死んじゃったんだね、ウチ。
小隊長さんごめんなさい。
もっと生きたかったな…。

「…真希ちゃん?」
「ひーちゃん!」
「…夢?」
「夢なんかじゃない! ひーちゃん、私だよ」


ふと、真希ちゃんがウチに触れる。
暖かい…。
ん? 暖かい?
ウチ、まだ生きてるの?

「暖かいでしょう?」
「うん、暖かい」
「だから、夢じゃないよ?」
「そうだね、夢じゃない」
「良かった…」
「…要救助者は?」
「見つかったよ、全員」
「そっか…」

ずっと真希ちゃんはウチを抱きしめててくれて、
ずっと髪を撫でててくれる。

「痛い? 大丈夫?」
「うん…大丈夫」

真希ちゃんは自分が着ているレインスーツの内側に
ウチを包んでくれるんだけど、
そのせいで真希ちゃんの服がウチの血で赤く染まる。

「服、汚れちゃう…」
「バカ、そんなこと気にしないの!
服はまた買える。でも、ひーちゃんは一人しかいないんだから」
「真希ちゃん…」
「ねえ、ひーちゃん」
「なあに?」
「私、引っ越す」
「引っ越すの? どこに? 遠いとこ?」

今より遠くなっちゃうのかな…
会えなくなるのはいやだな…

「ううん、遠くないよ」
「…どこ?」
「ひーちゃんとこ」
「へ?」
「ダメ?」
「ダメじゃないよ。本当にいいの?」
「ずっとそばにいたいの」

まじっすか!!
夢…じゃないよね?
ってか、夢なら覚めないで!

「って、こんなときに言うことじゃないか」
「ううん、こんな時だからこそうれしい…」
「それって…OK?」
「もちろん」
「ありがとう」

ウチは上半身を起こした。

「大丈夫?」
「うん」

ウチは真希ちゃんの頬に触れようと…
あ…ウチの手、血まみれじゃん。
躊躇するウチに、真希ちゃんがウチの手を真希ちゃんのほうに持って行ってくれた。

「キスして…いい?」

真希ちゃんは返事のかわりに目を閉じた。
初めて交わしたキスは、ちょっぴり血の味がした。

 

 

 

一週間の入院の後、ウチは家に戻った。


暖かい声と美味しい匂い
最高の笑顔がそこで待っていてくれた。

「おかえりなさい」

 

END


あとがき
いや〜、難しかった。下調べも結構大変だったけどさ。
最近、何かネガネガひーちゃんがツボかも・・・


 

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