ある日、楽屋に行くと、真新しい企画書が置いてあった。
表紙には「ハロープロジェクト新企画」とある。
私はページをめくって中を読む。
読んでいくにつれ、私は苦笑するしかなかった。
これ、やるのか?
私の楽屋に置いてあるってことはやれってことなんだろうけど…。
その日はこの企画の打合せとかいう理由で集まったハロプロのメンバー。
みんなめっちゃ乗り気で、私だけが浮かない顔。

「この企画はごっつあんにかかってるんだからね」
「そうだよ、ごっちん次第」
「私達も頑張ります、後藤さん」

ハハ…、やるしかないね…。
翌日、企画はスタートした。

 

「おはようございまーす」

私は、モーニング娘。の楽屋を訪れた。

「後藤さん、おはようございます」

楽屋の中には高橋とよしこと圭ちゃん。
飛びついてきたのは高橋。
ということは、本日の出演は高橋なのね。

「後藤さん、聞いてください」
「ん? なに?」
「私、昨日、後藤さんの夢見たんです」
「おぉ、そうなの? どんな夢だった?」
「後藤さんとね」

そこまでいうと高橋は頬を赤く染めた。
そして私の耳元で

「エッチしてる夢でした」

って…。
高橋…、これ演技? だとしたら、たいした女優になれるよ?
私、なんかぞくって来た。

「ま、まじ?」
「まじですよ」

ウルウルした目で私を見上げる高橋
私は、高橋の髪をそっとなでた。
横目で様子をうかがうと、
よしこが不機嫌そうな顔で私達を見てた。
ここまでは台本どおり。
次の瞬間、高橋は私の頬にキスをした。

「た、高橋?」
「いやだなぁ、愛って呼んでくださいよ」
「は、はい」
「今日、後藤さんの家に行きたいです」
「いいけど」
「やった! 約束ですよ?」
「いいよ、愛ちゃん」

私が名前で呼ぶと、本当に嬉しそうな顔で
高橋はにっこりと笑った。

「あー、高橋! オイラのごっつあんに何するんだよー」

ガチャリと楽屋のドアが入ってきたのはやぐっつあん。
打ち合わせどおり、私と高橋の間に割って入る。

「もー、オイラが見てないと油断もすきもあったもんじゃない」

ぷうっとふくれたやぐっつあんが私を上目遣いに見る。
かわいいって思った私は逝ってよし?

「オイラはダメなの?」
「え?」
「おいら、ごっちん御殿行ったことないよ?」
「そうだったっけ?」
「ひど、忘れられてるのね」

しくしくと泣きまねをするやぐっつあん。

「ごめんごめんって」
「最前で許す」
「ほえ?」
「ソロライブの最前列―」
「まじ?」
「大まじ」

ってか、これって私に対する拷問か?

「わかったよ」
「やった」
「そのかわり ♪もっとちょうだいもっとちょうだい愛しくて愛しくて
って、目、見て歌うよ?」

こうなったら私も悪ノリしてやろうじゃないの。
私はやぐっつあんの肩を抱いてソファに腰かけた。
やぐっつあんの手が私の頬に触れる。

「ごっつあん…」


「だめですー!!」

独特のアニメ声が聞こえてきた。
顔をあげると、梨華ちゃんが私のほうへ突進してくる。
梨華ちゃんは私とやぐっつあんの間に割り込むと
私に抱きついた。

「ごっちんは私のものです!」

そう言ってぎゅ―って私に抱きつく梨華ちゃん。
胸があたってるんですけど…

「ごめんね、ハニー」
「ハニ―って私?」
「そうだよ、ハニー」

そう言いながら私は梨華ちゃんの髪を撫でる。
そのまま、何秒間か見詰め合う。
…まじでかわいいかもしれない…。

ガタン

突然音がした。
音のした方向を見ると、よしこが立ち上がってた。

「…よしこ?」
「トイレ…」

不機嫌極まりない顔で、よしこが楽屋を出ていった。

「ふう〜…」

私は大きく息をついた。

「ひとまず成功?」
「だね」

この企画、めっちゃ疲れる。

「なんかぁ、私、マジになってきましたよ、後藤さん」
「た、高橋?」
「愛です」
「はい、愛ちゃん…」
「オイラも〜」
「近くで見たら、ごっちんの目ってめっちゃかわいいんだよね〜」

ハハハ…
私、この企画が終わる頃にはどうなるんだろう…。


つづく

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