<3>
東京へと帰るのぞみの車内。
みんなしーんとしてる。
あたしは一人離れた席に座る。
悔しくて…身体は泥のように疲れてるのに眠れない。
ごっちんは…
目をやると爆睡してた。
ごめんね…あたしのせいだよ…。
隣りの席があいてたから、あたしはごっちんの隣りに座った。

今日、フットサルで一番動いてたのはごっちんだった。
あたしがボールを持ってても、パス出せないし
シュートも打てなくて
だからDFのごっちんが何度も中盤過ぎまであがってくる。
だけど、またすぐに切り返されるから
ダッシュでゴール前にごっちんは戻ってた。
試合が終わった後に紺野が言ってたんだ。
「後藤さんがいたから失点半分くらいですんだんです」
確かにそうだ。
ごっちんと二枚で防いでたからこそ7失点ですんだんだ。
ハーフタイムで見たごっちんは誰よりも汗をかいていて、
それでいて北澤監督の指示を受けて
後半への心構えをチームに話したのはごっちんだった。
その汗に光る真剣な横顔はすっごいきれいだった。
輝いてた。
後半が始まって、試合も終盤に差し掛かると、
あたしのスタミナも限界に近づいて
足が止まりがちだったのに
ごっちんはずっとずっと走り続けてた。
そして、最後まで声出してたのはごっちんだった。
……あたし、これでもキャプテンかよ…
すっごい悔しくてなさけなくて
あたしは、試合が終わった後にごっちんにお疲れ様もいえなかったんだ。
…最悪だよ、あたし。
今一度ごっちんの顔を見ている。
めっちゃ疲れた顔してるよ。
スポフェスの間はめっちゃ元気でニコニコしてたけど
やっぱそりゃそうだよな。
あたしもまいまいも、ぐたぐたなんだもん。
いくらソロコンやってるって言ったって
こんなに華奢なごっちんだもん。
そう思ったらちょっとせつなくなって
あたしはごっちんの手をそっと握った。


「…よしこ? どうしたの? しんどい?」
「あ…ごめん、起しちゃった?」
「別にいいんだけど…本当に大丈夫? 顔色よくないけど」
「うん、大丈夫」
「しんどかったら言うんだよ?」

そう言ってごっちんはあたしの頭をふわってなでる。

「真希ちゃぁ〜ん」
「なによぉ」
「しんどい…」

実際、悩みすぎて胃はきりきり痛かったし
運動しすぎでご飯食べれなかったし。

「まだ東京まで時間あるからちょっと寝な?」
「寝れない…」
「しょうがないなあ」

ごっちんはそう言うとあたしを自分の方に抱き寄せた。
必然的にあたしはごっちんの肩にもたれる形になる。

「さあ、寝よ?」

そう言って繋いでる手に今一度力をこめて。

本当にごめんね、ごっちん。
東京じゃ頑張るから…
ごっちんに負担かけないように頑張るから…
だから不甲斐ないあたしを見捨てないで?

 


後日、2人でもたれあって眠る写真を見せられた。
微笑ましいねえっていう安倍さんたちに囲まれて
あたしが赤面したのは言うまでもない事実。

 

つづく

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