エピローグ
SIDE MAKI
結局いちーちゃんは、必ず奪いに来るって言葉を
いちーちゃん家を後にする私たちに投げかけた。
途端にうつむくよっすぃ〜。

「大丈夫だよ?」
「うん」
「私はずっとよっすぃ〜だけだから」
「うん…」

公園のベンチに腰掛けて、私たちは言葉を交わす。
ずっと下を向いたままのよっすぃ〜、
ねえよっすぃ〜、よっすぃ〜は勝負に勝ったんだよ?
私、よっすぃ〜のほうが好きなんだよ?

「…よっすぃ〜?」
「ん?」
「何、考えてるの?」
「…何で…」
「なんで?」
「何でこんなにごっちんのこと好きなんだろうって…。
すっごい不安なんだ、好きすぎて」
「よっすぃ〜…」
「誰にも渡したくない」
「私はよっすぃ〜のものだよ?」
「ごっちんが他のやつの物になるなんて考えたら、
気が狂いそうになる」
「大丈夫。大丈夫だから…」

今にも泣き出しそうなよっすぃ〜の腕に、
私はそっと自分の腕を絡めた。

「この手、離さないから…」
「うん…ウチも…」



SIDE HITOMI
その日を前に、私は落ち着かないでいた。
めちゃくちゃイライラして、ベッドに入っても眠れなくて。
毎晩ごっちんが電話してきてくれるんだけど、それでも安心できなくて…。
いよいよその日が翌日だって言う日に、あたしは熱を出した。
そしてその当日も熱は下がらず、あたしは38度のまま、仕事へ行った。

案の定、楽屋はその話題一色で。
さぞごっちんもうれしそうな顔してるんだろうなって顔を上げたら、
ごっちんは話の輪に入ってなかった。
驚いてごっちんを見てたら、視線が絡んだ。
ごっちんが立ち上がってあたしのほうに来る。

「よしこ、トイレ行こ」
「うん…」

私は言われたとおり、ごっちんの後に続いた。
でも、ごっちんはトイレに行かなかった。

「あれ? ごっちん、トイレは?」
「へ? あー、あれは嘘」
「うそ?」
「もうすぐいちーちゃん、楽屋に来ると思ってさ」
「…会わなくていいの?」
「よしこの目の前であったら、きっとよしこ、また落ち込むじゃん」

そういってごっちんがあたしの頬を触る。

「って、あつ! 熱あるじゃん!」
「三日くらい寝てなくて…」

馬鹿だよ、よっすぃ〜って、そっと抱きしめてくれたごっちん。
本番もごっちんは市井さんより私のほうを見ててくれて。
何だ、取り越し苦労だったんじゃん。
そう思ったら体の力が抜けて、スタジオから強制退場。
カッコ悪…。

「ばかよっすぃ〜」

本番終了後、楽屋で寝ていたあたしのところへ来てくれたごっちんは、一言そういった。

「私、もういちーちゃんとの事はなんでもない
今はよしこだけだよ?
きっとよしこが私のこと嫌いになるまで好きでいるから…。
もう私の事で悩まないで?」

楽屋のソファで横になっていたあたしの髪をなでながら、
ごっちんはそう言ってくれた。
他のメンバーが次々に帰ってきたけど、ごっちんはずっとそのままで。

「ごっちん…、みんな見てるよ?」
「別にいいよ、悪いことしてるわけじゃないんだし」

そりゃまあそうだけど。

「すいませーん、よっすぃ〜調子悪いんで、ごとーがつれて帰りまーす」

ありゃ…、宣言しちゃったよ…。
ま、いいか…。
ごっちんはあたしの物だってわかったんだしさ。


FIN 

あとがき
うーん、よしこがまだ若くてよわっちいんだけど、まっすぐなときのお話でした。

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