SIDE MAKI
裕ちゃんに送ってもらってあやっぺの家に行く。
「久しぶりだねえ」なんて言いながら、
いつもと同じように接してくれるのが嬉しい。

「よっすぃ〜は?」
「もうすぐ来ると思うわ。電話したら飛んで行きます!
言うてたから」
「OK、じゃあ任せといて。責任もって預かります」

 

よっすぃ〜はそれから30分位してやって来た。
私の顔を見るなり、安心したように微笑んで。

「ごっちん、元気だった?」
「うん…」

ごめんね、私嘘吐いてる。

よっすぃ〜と、当たり障りない会話を交わす。
最近どう? とか
ほかのメンバー元気にしてる? とか。
ぎこちない空気。
やっぱりよっすぃ〜に嘘吐き続けるなんて無理だよ。
それなら…会わないほうがいいのかもしれない。

「ちょっとさ、昼ごはん作ってくるから玲夢見てて?」

あやっぺがリムちゃんを置いてキッチンへたつ。
よっすぃ〜はリムちゃんを抱き上げる。

「かわいいねえ」
「うん、あやっぺにそっくりだね」
「うん」
「あ…よしこにも似てるかもだよ?」
「そう?」
「っていうことはよしことあやっぺって似てるのかな」

子供と遊ぶよっすぃ〜はめっちゃ無邪気でかわいくて
私は見とれてしまう。

 


「おまたせ、できた…って、寝ちゃったの?」
「うん」

ふざけてるうちよっすぃ〜はリムちゃんおなかに乗っけて寝ちゃってて。


「あやっぺ…」
「…なに?」
「やっぱり私、よっすぃ〜のそばにいれない」
「なんで?」
「見てよ、無邪気そうな顔して寝てるよ?」
「そうだね…」
「私といたらもう、あんな顔させて上げられないかもしれない」
「ごっちん…」
「…別れる」
「ちょ、ちょっと待って」
「ごめんね、迷惑かけるかもしれないけど」
「迷惑なんかじゃないよ?」
「私、帰るね」

私はもうここにいちゃいけない。
よっすぃ〜の目が覚めたら決心が鈍っちゃう。

「だめだよ、裕ちゃんに見てるように言われたのに」
「ごめん、でも大丈夫。ちゃんと裕ちゃんのマンションに帰るから」
「……」
「これ以上さ、よしこの顔見てるのつらいんだ…ごめんね?」
「わかった。裕ちゃんには連絡しとく。
私はごっちんのこと信じてるから、ちゃんと裕ちゃん家帰るんだよ?」
「うん…」

眠っているよっすぃ〜の顔にそっと触れてから
私はあやっぺの家を出た。

 

SIDE AYA
ごっちんがよっすぃ〜のことをすごく思ってるのがわかって
無理やりにでも止められなかった。
あ〜、裕ちゃんに怒られるんだろうな。
私は重い気持ちで裕ちゃんに電話した。

「裕ちゃんごめん」
『え?』
「ごっちん、帰っちゃった」
『…はい?』
「っていっても裕ちゃんのマンションにだけど」
『そうか…』
「別れるって…そう言ってた」
『わかった…』
「本当ごめんね。よっすぃ〜は責任もって仕事に行かせるから」
『わかった。ごっちんはあたしが何とかするわ』

電話を切ってからよっすぃ〜を見つめる。
何も知らないで玲夢を抱っこして幸せそうに眠ってる。
本当は…ずっとごっちんといさせてあげたい。
私が叶えられなかった…大好きな人といることを
よっすぃ〜には叶えさせてあげたい。
でも、ごっちんの気持ちも痛いほどわかって…。
きっとごっちんはすっごい決心でよっすぃ〜とはなれる道を選んだんだよね?


「…あれ…ウチ、寝てたんだ…」
「おはよう、起きた?」
「はい…。あの…ごっちんは?」
「帰ったよ」
「はい? 帰った?」
「うん」
「そんな…せっかく久しぶりに会ったのに…」

傍目からわかるほど落ち込むよっすぃ〜が切ない。

「よっすぃ〜によろしくって」
「…彩さん」
「はい?」
「ごっちん、なんかあたしに隠してるんじゃないっすかね」
「え?」
「なんかそんな気がするんですよ」
「そう?」
「こんな予感、当たらなきゃいいけど…」


想像以上によっすぃ〜は鋭かった。
っていうかさ、好きな人に関してはわかるもんなんだよね、なんとなく。
どうしてあげればいいんだろう。
裕ちゃんが悩むのわかる気がする。
二人が傷つくの見たくないもんね…。
とりあえず私は思いっきり落ち込むよっすぃ〜が心配で
仕事先まで送っていくことにした。

車の中で会話をする間、よっすぃ〜はずっと携帯を握っていた。
きっとごっちんからの連絡を待っているんだろうな。
でも、その携帯は彼女が仕事先に着くまでに
着信を告げることはなかった。

 

 

つづく

 

[★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?! Click Here! 自宅で仕事がしたい人必見! Click Here!]
[ CGIレンタルサービス | 100MBの無料HPスペース | 検索エンジン登録代行サービス ]
[ 初心者でも安心なレンタルサーバー。50MBで250円から。CGI・SSI・PHPが使えます。 ]


FC2 キャッシング 出会い 無料アクセス解析