Le monde d'Aquira

「現代詩手相」

これがあなたの運命線、そしてこれが私の
二本が交わるところで、私たちは出会ったの
と、その人は僕の掌に自分の手を重ねながらいった
あなたの人生は既に刻まれているの、私の手にも

運命を信じることは
ある意味で木登りをするカンガルーと
広い草原で偶然出会うようなものかもしれない
あるいはボクシングをするコアラと
その人は、少し難しい顔をして
僕の手を見つめながらつづけた
これが頭脳線、そしてこの乱れた線が感情線
あなたは何をそんなに恐れているの

その夜、僕は夢を見た
固く握りしめられたその人の拳を
一生懸命に押し開こうとする夢を
彼女の運命線が
本当に僕と交わっているのか確かめたいばかりに

でも僕が力を入れれば入れるほど
彼女の拳はエアーズロックみたいに
固く握られるばかりだった
そのとき、その人はどんな顔で僕を見ていたのか
最後まで彼女と
視線を合わせることはできなかった

それからしばらくして僕たちは別れた
それもまた、運命の必然というのか
手相は何も教えてくれないけれど

もし偶然と必然を結ぶ線があるなら
それは何線と名付けられ
いったい掌のどこに刻まれているのだろう
「草原をさまようカンガルーもコアラも
必ず夜にはねぐらに帰れるように
運命も、僕たちをきっとどこかに
運んでくれるはずだったのに」
空っぽになった手を見て僕はそうつぶやいた
その人の柔らかい指先の感触を思い出しながら

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