ぶくぶく
・・・朝か・・・。
目を開けると天井が見えた。
「・・・えらく長い夢だったなぁ・・・。」
起き上がって、のびをする。
「ん〜っ!」
・・・ぽこぽこぽこ・・・。
「・・・ん〜?」
まだ寝ぼけてんのかなぁ、なんか虹色が見える・・・。
・・・ぽこぽこぽこぽこ・・・。
「・・・んげっ・・・に、にがい!!」
シャボン液を間違って吸っちゃった時のようだ。
――パタン。
本が開いて、中から何か出てきた。
「ぐぇっ?!」
あ、悪魔と妖精!?するとあれは・・・現実か!!
『おっはよーぅ!!ちゃんと眠れたかしら〜ん♪』
『おぉ?!朝からシャボン玉遊びとは洒落てるな!!』
「俺シャボン玉遊びなんかしてない!!なんかこれ苦いんだけど!!」
シャボン液を間違ってすっちゃった時みたいではナカッタ!!
キリエの唾はシャボン液そのものになっていた。にがい。
「さっきのぽこぽこいってたのはシャボン玉だったのか・・・うぅ、ねたねたする・・・。」
ロガフィエルとアリンネヴィアはきゃあきゃあいいながら遊んでいる。
「おいっ!!これどうにかしろよ!!」
『む〜りよぅ!!それが今日一日の"試練"だもの、あたしたちは何にもしてあげられないわよ!!』
『そうそう、あきらめて対策でも練らないとな!!どうする?』
どうするったって・・・。
「学校もあるし・・・とりあえずマスクでもしとくかぁ?」
『学校〜?そうか、あんたみたいなおこちゃまには学校ってもんがあんのよねぇ・・・。ぷっ、カワイソ!!』
「…ムカツク奴だな。でも学校でマスクしとくのはいいとして、エレノアにはどう言おう。」
「その事なら心配要りませんよ。私知ってますから。」
「ぎゃわっ!?」
いつの間にかエレノアが後ろに立っていた。
『なななななんだよお前ぇ!!なに落ち着いてんだよ!!』
急に現れられて慌てふためいているロガフィエルを無視しつつ、
「何でエレノアが知ってるんだ?昨日の今日だぞ。」
「ふふ・・・二階であんなに大騒ぎしてて気付かないはず無いじゃないですか。」
そう言ってエレノアはにこやかにニヤリとした。すこしコワイ。
『っふ〜ん、でもそれなら昨日のうちに言っといてくれればいいじゃない?』
とげとげしい口調でむくれつつ文句をつけた。
「まぁそう言うなよ・・・でもどうやってメシ食おう?」
あいかわらずぽこぽこシャボン玉を吐きながら思案するように言うと、
「シャボン液と一緒に飲み込むしかないですね。」
『うぇっ、まずそうだなオイ・・・。』
「あぁ・・・かなり苦そうだな・・・。」
キリエがうめくと、特別大きいシャボン玉が浮かび出た。
・
・
・
・
学校。
「おっはよ〜うvvキリエ君♪」
「…おはようぶくぶく」
(『キリエ、誰よこのきゃぴきゃぴ女』)
(「クラスの女子1だ。」)
(『…ぞんざいな存在ね。』)
(『しゃれか?』)
「あれれ〜??どうしたのキリエくんvv」
(『きしょいしゃべり方だな』)
(「同感。」)
「ね〜ぇ、どおしたのってばぁvv」
「別に…ちょっと風邪ひいたんだよぶくぶくぶく」
「ふ〜ん、だから喉がぶくぶく言ってるの?大変だネッ!!」
(ぎくり)
「ん…あぁ…そう…。」
「早く治るとイイネッ!!うふふふっvv」
(『甘ったる〜…』)
(『胸がやけそうだな』)
「ほらほらぁ、チャイム鳴っちゃうよ!!」
「…うん。ぶくっ」
―ココから先は主にロガフィエルとアリンネヴィアのつっこみでお送りします。―
授業中
「じゃあエテアロッド君、27ページ読んで。」
「ふぁいぶくぶく」
(『キリエ、返事はちゃんとしなさい!!全くこの子ったら』)
(『お前はキリエの母親か?』)
「"彼は叫んだ、'おだまりなさひ!!'"」
(『なによ'おだまりなさひ'って』)
(「そう書いてあんだからしょうがないだろ!」)
「エテアロッド君、声が小さ…あら、マスク?」
(『今気付いたのかよこいつ』)
「風邪ひいたんですぶくぶく」
「そう、それならしょうがないわね…じゃぁ、声小さくてもいいから続けて読んで。」
(『続けんのかよ!!もうちょっと生徒の喉をいたわれよ!!』)
(『さまぁ○ずの三村?』)
(「誰だそれ。日本人か?」)
「エテアロッド君?」
「…"彼女は言い続けた、'私よりあの女のほうが好きなんでしょ!!'"」
(『はぁ?!昼ドラの脚本か?!』)
(『そんなわけ無いじゃない、昼ドラの小説版よ。』)
(『違わねーよ』)
(『違うわよ、脚本だったらト書きがあるはずじゃない』)
(「どうでもいいよ…ぶくぶくぶく」)
お昼(キリエの学校はお弁当式)
学校の裏庭にて。(学校の敷地内ですよ、勿論)
「さて、昼飯をどこで食べるかだな。ぶくぶく」
『マスクはずしてるとこ見られちゃうから教室はダメね。』
『トイレの個室とか。』
「絶対無理ぷくっ」
『ここでいいじゃない。裏庭。』
『っていうか、なんでわざわざここ来てんだよ』
「最初からここで食べようと思ってたから。」
『じゃあ相談しないでよ…。』
放課後
「さあ帰ろう。(怪しまれないうちに)」
「あっ、なんだか今日一日中こそこそしてたキリエ君!!また明日ねvv」
(『あの女…実はキリエのこと嫌ってんじゃねえか?』)
「……。(ぶくぶくぶく)」
(『あら、なにげに落ち込んでる?』)
家
「あ〜、何とか今日はごまかせたな。」
『でも明日はどうなるか分からんぞ』
「……。」
『不安にさせるような事言わないの!!』
「キリエさん、お弁当箱出してくれないと洗えませんよ〜。」
「…もう…寝てしまおう…。」
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